2014/9/11 35歳未満の技術者・技能労働者を経審加点/入契法適正化指針、品確法基本方針、運用指針各案示される/中建審総会

9月10日(水)、中央建設業審議会総会が開催され、今までの取り組みの報告、
指針改正の報告及び意見聴取がされた。
議事は
 (1)建設業産業の現状と最近の取り組みについて(報告)
 (2)経営事項審査の改正について(意見聴取)
 (3)入札契約適正化指針の改定について(意見聴取)
 (4)公共工事品確法の改正を受けた基本方針の改定・運用指針の策定について(報告)
になる。



(1)建設業産業の現状と最近の取り組みについて

建設業産業の現状としては、
・建設業投資は平成4年度をピークに減り、それに伴い就業者数も減少している。
・技能労働者の減少とともに就業者の高齢化が進み、全体の約3割が55歳以上となり、
 若年層の確保が課題となっている。
・社会保険未加入状況調査を行い、加入率は上がっているものの未加入がいるのが
 現状である。
・入札不調、不落の状況については、平成25年度が7.6%発生しており、前年より
 若干増えている。
・公共工事設計労務単価は減少していたが、平成25年度に2度上げた。
それでもピーク時に比べると2割減の状態である。

こういった建設業を取り巻く環境を含め、公共工事の品質確保の促進に関する法律の
一部を改正する法律が衆参各本会議で全会一致にて可決され公布・施行となった。
改正の目的は現在及び将来の公共工事の品質確保、担い手の中長期的な育成・確保の
促進になる。
発注者責務の明確化として、担い手の中長期的な育成・確保のための適正な利潤が
確保できるように予定価格の適正な設定などがあげられ、多様な入札契約制度の
導入・活用として、若手技術者・技能者の育成・確保や機械保有、災害時の体制等の
審査・評価があげられている。

建設業法等の一部を改正する法律については、ダンピング対策、担い手の確保が
加えられた。
入契法にはダンピング防止を公共工事の入札契約適正化の柱として追加され、
適正化指針改正となった。
公共事業の円滑な施行確保対策や人材確保・育成対策、具体的な取組が報告された。
女性技術者・技能者に関しては、5年間で倍増を目標とし、政策を実施する。

社会保険未加入対策の取組については、人材確保の観点からも加入の徹底が必要となり、
全体として推進していく。
現在までに様々な対策を講じているがさらなる実態把握のため、民間工事を含めた
調査を行い、年内には取りまとめ、対策の検討、実施を行う。公共工事、民間工事ともに
進めていくことが重要である。

委員からは、担い手確保を法律に加えたこと、施策の実施、労務単価増加等に対して
評価や感謝の言葉がある一方、担い手確保のための適正な利潤の確保や調査結果の
早期公表の意見があり、担い手3法の実施が重要で適正化指針、運用指針の策定や
運用への協力依頼、調査結果は素早く公表すると話がある。


(2)経営事項審査の審査項目及び基準の改定について

今回は品確法改正を踏まえて、その他の審査項目(W評点)の見直しとなる。
品確法第13条に発注者は
 ・若年の技術者・技能労働者等の育成及び確保の状況
 ・建設機械の保有の状況
 ・災害時における工事の実施体制の確保の状況
等に関する事項を適切に審査し、又は評価するよう努めなければならないとあり、
この3点について見直しを行う。
若年技術者・技能労働者等の育成及び確保の状況については、35歳未満の技術者・
技能労働者を技術職員数(Z)評点とは別にW評点において、継続的な取組、
審査対象年度における取組で評価されることが示された。


建設機械保有状況については、現在の掘削系機械(ショベル系掘削機、
トラクターショベル、ブルドーザー)に加え、災害対策も考慮して、
移動式クレーン(吊り上げ荷重3t以上)、大型ダンプ(車両総重量8t以上または
最大積載量5t以上)、モーターグレーダー(自重5t以上)をあたらに評価対象とする。
評点の上限値は現行の15台までとされた。


災害時における工事の実施体制の確保の状況については、防災協定締結有無で評価される
現行の制度が継続される。

委員からは、人材確保の厳しさ、地方での早期対応の難しさや企業体系等が
多様化している中で1つのモデルで評価する限界について意見があり、若手をいかに
増やすかのインセンティブになる評価、新しい時代に即した評価方法について、
新たな課題として検討していくことになった。


(3)入札契約適正化指針の改正について


入契法にダンピング防止が1つの柱として追加された。
適正化指針は元々談合防止、公正な競争になるようにという指針であったが、
新たにダンピング防止が入ってきた。
ダンピング受注の防止として、予定価格の適正な設定(歩切りの禁止等)、
低入札価格調査制度及び最低制限価格制度の活用が主な改正箇所として挙げられた。
歩切りとは適正な積算に基づく設計書金額を予定価格とせず理由もなく
金額を下げることで品確法に違反することから禁止し、さらに適正化指針改正後の
運用強化(案)として、ダンピング対策強化のために低入札価格調査制度等を
未導入の地方公共団体に対しては導入等を要請する。
また、歩切りについては調査を実施し、疑わしい地方公共団体等に説明聴取を実施し、
必要に応じて個別発注者名を公表する等、歩切りの根絶に向けて、改善を促していくと
示された。
適正な施工の確保としては、適切な契約変更について、口約束ではなく書面にて
契約するようにと指針に含められた。
また、若手の建設業従事者が仕事に誇りを持つための対策の提案があり、誇りを
持つことは重要であり、方法については今後知恵を出していきたいと話がある。


(4)公共工事品確法の改正を受けた基本方針の改定・運用指針の策定について

基本方針と運用指針を定める。
基本方針では、公共工事の品質確保とその担い手確保のために講ずべき施策を
広く規定している。
今回の改正により、各発注者が取り組むべき事項、発注者の責務に関する事項、
その他国として講ずべき施策を追加した。

運用指針は、発注事務をする際にどうすべきかが定められ、今回の法改正にて
新たにできたものになる。
発注事務の現場において滞りなく事務が行われるように運用指針を作成しており、
発注事務の各段階において、定めたプロセスを踏んで、実施していけるようにする。
また、多様な入札契約方式があり、運用方針では、その方式がどのような方式なのか、
工事の性格や地域の事情に応じた選択の考え方など参考になる指針とする。
年内を目標に作成している。


今回の総会にて、議事内容は承認を得たが新たな課題もあり、今後さらに
検討していくこととなる。