2014/4/2 第3回 発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会①

2014/03/28 第3回 発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムの
あり方に関する懇談会が開催された。
昨年11月15日、12月25日に続く第3回目の実施となる。

内容について2回に分けて掲載します。


前回に引き続き以下の4つのテーマと
・事業の特性等に応じた多様な入札契約制度の適用のあり方
・若手技術者の配置を促す入札契約制度の検討
・地域のインフラを支える企業を確保するための入札契約制度の検討
・より適正な価格等の設定

今回新たに以下3つのテーマについても報告・意見交換がなされた。
・施工実態等を踏まえた維持修繕工事の適正な積算基準の設定
・修繕工事の品質を確保するための課題整理
・積算の合理化(施工パッケージ型積算方式の適用拡大・工事書類の簡素化 等)

①事業の特性等に応じた多様な入札契約制度の適用のあり方
第2回の懇談会において、入札契約方式が多様であり入札方式や契約方式等、
様々な組み合わせがあることから、発注者として時代のニーズや事業の特性に応じて
適切な方式を適用する必要があり、入札契約方式の選定方法やガイドラインの策定に
関する検討の方向性が挙げられた。

入札契約方式では、契約方式、入札方式、落札者選定方式、支払い方式で様々な
組み合わせ
が考えられ、最も適切な組み合わせを選択することが必要となる。
ガイドライン策定にあたっては、入札契約方式を体系化することで、多様な方式の導入・
活用を図る
ことを目的とされている。


発注者によっては総合評価方式の実施率が低い等もあり、運用環境が整備されていない。
工事成績評価は発注者により異なり標準化されていない。発注者間で相互に有効活用
できるように、工事成績評価の標準化、工事成績データベースの整備を行う必要が
ある。


参加した委員からは以下の意見等が出された。
・地方自治体向けには内容が緻密すぎるのではないか。地方では総合評価の実施件数は
 まだ少ない。自治体の規模に応じて工夫する必要がある。
・発注者により工事成績評価方法、平均点に差がある。恣意性が入らないように、
 他機関とも共有できるようにしていく、標準化する方向で。
 工事成績評価では、技術力のない発注者がつけたものは使えない。発注者の支援、
 発注者を評価する仕組みも必要ではないか。
・CM/GC方式等は例がなく他の方式と同じレベルで見ることはできない。
・今回は国として初めてガイドラインを整備する。現状の技術をベースにするだけでなく、
 将来を見据えた育成面も考慮してほしい。

②若手技術者の配置を促す入札契約制度の検討
建設業においては若手入職者が減少し、総合評価方式において配置予定技術者の
工事実績等を重視した評価となっているため若手技術者が配置されにくい状況に
なっている。
前回から若手技術者の配置促進に向けた議論がされている。

建設業における主任(監理)技術者、担当技術者の年齢は経年で高まっている。
若手技術者配置促進策として現状より若い年代の配置を目的とする。
・担当技術者として育成:30代前半より若い技術者を担当技術者として配置促進
・主任(監理)技術者として登用:40代前半より若い技術者を主任(監理)技術者
 として配置促進


若手技術者の配置を促す入札契約方式として4つのタイプが示された。
タイプⅠ 「担当技術者(一定の年齢以下)の専任配置を加点評価」
      試行の拡大を検討
タイプⅡ 「主任(監理)技術者の実績の代わりに、専任補助者の実績を評価」
      効果が限定的であることから、企業による支援体制(常駐義務のある
      現場代理人によるサポート等)の評価を可能とする試行も検討
タイプⅢ 「主任(監理)技術者の同種工事実績において、現場代理人や
      担当技術者として従事した実績も同等評価」
      試行の拡大を検討
タイプⅣ 「一定の年齢以下の主任(監理)技術者の配置を参加要件に
      設定した試行」
      試行の拡大を検討するが、段階的に実施


各地方整備局における今後の取り組み予定が示された。


参加した委員からは以下の意見等が出された。
・若手にシニア世代をつけることで技術伝承にもなり、シニアのモチベーションにも
 つながる。
・工事の規模等に応じて考える。

後半に続く