2013/03/18 『 1万m3以上 』 の土工事でTS出来形管理を一般化 次期情報化施工推進戦略(案)

国土交通省は3月14日情報化施工推進会議を開催し、次期情報化施工推進戦略(案)について
議論を行った。
冒頭、国土交通省の越智繁雄技術調査課長、建山和由委員長(立命館大学理工学部教授)が挨拶し、


国土交通省
越智繁雄技術調査課長

建山和由委員長
立命館大学理工学部教授

その中で建山委員長は、
「アメリカでは発注者側が情報化施工技術を使えとは言っていないが、
使わないと施工できない或いは市場から退場せざるを得ない仕組みになっている。
日本でもこの推進戦略の最終年度である5年後までには普及するようにしたい。」
と述べた。

事務局より次期推進戦略について主に次の説明があった。

前推進戦略で一般化を目標としてきたTSを用いた出来形管理技術については、
平成25年度より10,000m3以上の土工を含む工事について一般化する。
マシンコントロール(以下MC)(モーターグレーダ)技術は、
現状ではコストが従来施工と比べて若干ではあるが高くなるため、
平成25年度の一般化は見送り、引き続き普及を促進することとした。

機器・システムの直轄工事における活用実績として、
MC(モーターグレーダ)技術は約5割、
MC/マシンガイダンス(以下MG)(ブルドーザ)技術は約6割、
MG(バックホウ)技術は約7割、
TS・GNSSを用いた締固め管理技術は約8割、
が”レンタル”により機器を調達されている。
TSを用いた出来形管理技術(土工)は約6割が”購入(自社持ち)”されている。

CIM(Construction Information Modeling)導入の検討と連携し、CIMにより共有される
3次元モデルからの情報化施工に必要な3次元データの簡便で効率的な作成や、
施工中に取得できる情報の維持管理での活用を目指す。

また、普及を推進する技術・工種の拡大に関する重点項目については、
従来のMC・MGなどの制御技術以外にも、計測技術、情報管理技術など多岐にわたる
技術を対象とする(下図)。

情報化施工の普及の拡大に関する重点目標としては、
【一般化推進技術】
・TSを用いた出来形管理技術(土工)
 (但し、10,000m3未満の土工を含む工事に限る)
・TS・GNSSを用いた締固め管理技術
・MC(モーターグレーダ)技術(前戦略に引き続き一般化を推進する技術)
・MC/MG(ブルドーザ)技術
・MG(バックホウ)技術
【実用化検討技術】
・TSによる出来形管理技術(舗装工)
【一般化技術】
・TSを用いた出来形管理技術(土工)
 (但し、10,000m3以上の土工を含む工事に限る)

また継続的な実効性を確保するためのインセンティブ施策として、
一般化推進技術と実用化検討技術については、情報化施工の利用による
結果として得られる効果を総合評価落札方式や工事成績評定において
適正かつ的確に評価することとされた。

事務局からの案に対して委員からは、
「使ってみたくなる仕組みが必要。年に1回は使わないといけないような形はどうか。」
「現場の技術者は情報化施工について詳しく理解していない。どこかに聞けば良いのかわからない。
問い合わせ窓口をしっかりさせるべき。」
「情報化施工を利用した場合、表彰制度など何らかの”褒める”施策があっても良い。」
等の意見が出された。

今後、事務局が今回の意見を取りまとめ、新年度には平成25~29年度迄の
情報化施工推進戦略が正式に策定される予定。