2013/12/26 第2回 発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会(第2部)

(第1部からの続き)

④の「地域のインフラを支える企業を確保するための入札契約方式の検討」については、
事務局より、災害協定を公募する際の条件を満たす企業を対象に、工事の内容(除雪・
除草・清掃等)や、地域の状況(発注時点での業者の手持ち工事量等)などにも応じた
発注方式を構築するための参考として、英国におけるフレームワーク方式の取組が
報告された。


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委員からは、
・優れた企業であればこそ、多くの仕事を抱えている。2回受注したら2番手、3番手に
任せることができるといった”パス制度”があってもよいのでは?
・企業の履行能力をボンド会社が査定する方式も考えられるのではいか?
・フレームワーク方式は過失責任が生じる方式だが、現状の方式では無過失責任方式に
なっている。このあたりの整理は詰めが必要になるのではないか?
・都市部では多くの業者が携わる業務だが、地方では決まった業者が受注する傾向が強い。
維持工事は一般土木の実績として見られないということもある。
小規模市町村ではすでに、かなり包括的な契約を行っているところもあり、発注側で
今後の維持管理体制をどのようにしていくのか、方針を確定したうえで、発注方式の
検討をするべきではないか?
といった意見が寄せられた。

⑤の「より適正な価格等の設定」については、
現状の積算体系における単価等の設定方法と、入札不調・不落に関する状況が報告された。


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委員からの
「東日本大震災復旧工事において、不落・不調の続かない価格設定が必要である」
「変更契約など、相手方が1社なのにもかかわらず、契約に至らない場合の仕組みづくりが
求められる。」
といった意見に対し、国交省の青木建設業課長より、
「平成25年4月の設計労務単価見直しにより、平均15%上昇したが東北ではさらに
5%の嵩上げを実施した。
大型建築案件で続いている不調・不落については、仕事に対してやり手が不足している
東北の様相とは異なり、『価格が合っていない』ということが原因だと認識している。
直近単価を使っても市場と合っていないということもある。
メーカーに直接見積を取る等、可能な範囲で落札候補者とコミュニケーションを取りながら
決めていくことができるのか、全国で開催予定のブロック会議等で意見をもらいながら
判断していきたい。」と話した。

⑥の「発注者間の連携体制の強化」については、
これまでの取組として、積算要領・基準、施工管理基準等の基準類の情報提供等に
関する取組事例が報告され、今後の課題として、建設業者の技術的能力審査を公正かつ
効率的に行うため、「成績評定要領」「成績に関する資料のデータベース整理」
「相互利用の促進」等の重要性が報告された。

委員からは、発注者自身の技術力を向上させるため、受発注含めた業務経験者等、
外部からの評価も必要な対策であり、検討課題に入れてほしいとの意見が寄せられた。

懇談会は年度内に「若手技術者の配置を促す入札契約方式」に関する検討を進め、
その他の課題についても取組状況の報告がなされる予定。