2013/11/19 発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会 第2回 国交省が「地域のインフラを支える企業の資質・能力や他の建設企業との違いは何か」を提示

(第1回配信からの続き)


挨拶する土井政務官

「3)若手技術者の配置を促す入札契約方式について」
若手技術者の配置を促す入札契約方式について、事務局から次の様な説明があった。
監理技術者の50%以上が50歳以上となり、総合評価方式の現状から若手が実務経験を
持ちにくい状況が続いており、各地の地方整備局で若手主任技術者を配置し易い試行を
行っている。
今後、CORINSを利用して配置技術者の年齢や初従事の傾向を調べ、更に発注者・
受注者向けにアンケートを年内に配布し、年明け1月末日までにとりまとめを行う予定。


「3)に対する委員からの意見」
委員からは次のような意見が出された。
・日建連の調査によると29歳以下の技術者は12%しかいない。50歳を超えると確かに
  実績は揃うが、(ゼネコンは)本社でサポート体制を構築しているので若手を
  活用して欲しい。
  現状では約3割が本社で技術支援にまわり7割が現場に出ている状況なので、若手起用の
  際は本社の支援を重視して欲しい。
・50代が監理技術者で、30代が現場代理人という逆転現象が起きているのはおかしい。
  更に総合評価で技術者が塩漬けにされてしまい困っているのが現状。
・総合評価で若手に加点というのは姑息すぎるので、もっと抜本的な対策を考えて欲しい。
  優秀な技術者は本社で総合評価対策に当たっているが、もっと現場に行かせた方が良い。
・ゼネコンの話しと中小では捉え方が違うと思う。
  中小は中途採用が殆どで経験不足の新卒は採用が難しいので、中小向けに若手の施策が
  意味があると思う。

「4)地域のインフラを支える企業を確保するための入札契約方式について」
地域のインフラを支える企業を確保するための入札契約方式については次のような
説明があった。

地方圏において従業員数が10名以上の企業数が大幅に減少しており小規模企業が
増えている。
建設機械に目を向けると、リース業者の保有台数はほぼ横ばいだが、建設業者の
保有台数は2/3程度まで減少している。


「地域のインフラを支える企業の資質・能力や他の建設企業との違いは何か?」
それは「地域に精通するとともに、非常時には迅速かつ適切に対応(施工)できる
能力を有する企業
」だと定義できる。

現在の業態パターンを見ると、主に次の2つに分類できる。
a)直接施工型
  資産保有リスクを負って、建設機械や資材等を自ら保有し、技術者や技能者等の人材を
  直接雇用し、自ら直接施工する企業
b)マネジメント型
  資産保有のリスクを負わず、建設機械や資材等を必要に応じてリース調達し、下請や
  協力会社の施工を管理する企業
  マネジメント型の場合、非常時にすぐに対応できないと思われる企業がある。


こういった企業を適切に評価するために、どの様な項目で評価するのがよいのか、
平常時にはどの様な業務・工事を担ってもらうべきか。適切なご意見をお願いしたい。

「4)に対する委員からの意見」
委員からは次のような意見が出された。
・地方のインフラを支える企業は大事であるが、地域性が色濃く現れる。
  例えば中山間地ではそこに立地するだけで、現場を見に行くだけで他の地域よりも
  コストがかかる。
  本来の姿として地域のインフラ業務は別途で地域コンソーシアムに発注して良いのでは
  ないか。(そういった状態では)業務の平滑化が重要であり、競争入札ばかりではない
  と思う。
・地方からはバラバラな意見が上がってきている。地域によって要望が違うということを
  示していると思う。
  共通しているのは単年度主義が足かせになっているので複数年度契約にして欲しい
  ということ。
  災害発生時には非常時の発注制度が必要ではないか。

この他、入札価格の上限拘束性についても委員から問題提起があった。
今後は12月下旬に2回目の会議があり、年内を目途に中間とりまとめが行われ、年明けの
通常国会後に来年度に向けたとりまとめが行われる予定だ。