2013/03/26 沖縄総合事務局ではH24年度全案件で登録基幹技能者を加点
        人を大切にする施工力のある企業が今後のキーワードに
        第4回 担い手確保・育成検討会

国土交通省にて、第4回担い手確保・育成検討会が3月25日に開催され、専門工事業者等を評価する仕組み作りに向けた基本的な考え方(案)、技能労働者の技能の『見える化』の実現に向けた中間とりまとめ(案)、登録基幹技能者の更なる普及について(案)等が議論された。

第4回担い手確保・育成検討会

「専門工事業者等を評価する仕組み作りに向けた基本的な考え方(案)」については、
制度の目的として、「人を大切にする施工力のある企業が評価され、適正に競争できる
環境を整備すること」と定められているのが特徴であり、そのために「新たな評価の仕組みの導入」
が必要であるとされた。

評価の段階としては、少なくとも「建設業許可」の段階では評価活用は難しいとされ、
「総合評価」においては品質確保に関する要素について評価する方向とされた。

評価対象の範囲としては、専門工事業の許可も取得している総合工事業者を形式的に除外することは
しないことが明記され、まずは元請企業が選定に直接の責任を有する1次下請け企業を対象として
実態調査が行われ検討される方向となった。

また、具体的な評価項目としては、
①資格取得に最低でも10年間の実務経験を要する登録基幹技能者の雇用状況
②若年労働者や、その内、一定の資格を有する者等の雇用状況や活用状況と、
  下請企業が行う育成に向けた取り組み
とされ、社会保険への加入や労働関係法規の遵守などは、評価の問題でなく施工者の適格性の問題として検討し、この他にも引き続き検討を行うこととなった。

制度設計にあたっての基本的な考え方について(案)

「技能労働者の技能の『見える化』の実現に向けた中間とりまとめ(案)」については、
今後蓄積すべき情報として次の4項目が検討されることになった。
①技能労働者の工事履歴
②技能労働者の資格
③技能労働者の研修受講履歴
④技能労働者の各種保険加入状況

技能の見える化で用いるIDは基礎年金番号等に依らず独自の番号を付番するのが適当であるとされた。
登録を求める技能労働者の範囲としては「作業員名簿」に記載される者を対象とすることとされ、
IDの付与、DBへの登録は法的な義務でなく、業界全体の包括的な合意や自発的な位置づけで行われる
とされた。
法定福利費別枠計上への活用については将来的な方向性とされ、建退共やマイナンバー制度との連携も
検討課題とされた。

技能労働者の技能の「見える化」のイメージ

「登録基幹技能者の更なる普及について(案)」は、平成24年度基幹技能者の評価・活用に関する
調査事業における登録基幹技能者の配置効果や課題等について報告があった。
調査の結果、元請企業からの手当支給が登録基幹技能者本人にとって業務や資格取得のモチベーションに
大きく貢献していることが確認された。

登録基幹技能者に対する評価
登録基幹技能者に対する評価  [出典:(社)日本建設業連合会のホームページ]

また登録基幹技能者制度の活用を促進するためには「公共工事での更なる活用」が最も重要な課題
であるが、国土交通省地方整備局では特に西日本での活用が顕著であり、沖縄総合事務局では原則
として全ての発注工事で基幹技能者の配置と役割が評価項目とされていることが資料で示された。
都道府県では47都道府県中5つの道府県で評価項目としてあげられているが、特に北海道と長崎県では
既に数多くの案件で活用されていることが示された。

国土交通省地方整備局等 総合評価落札方式など入札制度における「登録基幹技能者制度」の活用状況について 都道府県 総合評価落札方式など入札制度における「登録基幹技能者制度」の活用状況について

25年度も更に議論が続けられ、3年程度かけて専門工事業者評価制度や技能の見える化などが
具体化される見込みのようだ。